時代別評点比較

【このページの見方】

建築基準法の改正されたポイントの、各平面計画における評点に対する影響を比較します。
【1】【2】【3】の各平面計画は、変遷を遂げてきた各時代の建築基準法を満たすように作成され、各平面計画の評点は、最新の耐震診断法である『2004年改訂版「木造住宅の耐震診断と補強方法」』における「精密診断法1」 で算出しています。


【1】【2】【3】の各平面計画は以下の共通した条件設定で作成されたものです。
・地盤…[よい]
・屋根の重さ…[重い]


西暦(年号) 建築基準法/大きな地震/教科書発行
1950年
(昭和25年)
基準法 建築基準法制定

建築基準法が制定された。
建築基準法施行令に構造基準が定められる。
許容応力度設計が導入される。

●木造住宅においては
床面積に応じて必要な筋違等を入れる「壁量規定」が定められた。
床面積あたりの必要壁長さや、軸組の種類・倍率が定義された。
       
1959年
(昭和34年)
基準法 建築基準法の改正

防災規定が強化された。

●木造住宅においては壁量規定が強化された。
床面積あたりの必要壁長さや、軸組の種類・倍率が改定された。

[参考]必要壁量 1959(昭和34年)改正
平屋 2階建
建築物の種類 1階 2階
屋根および壁の重い建築物 15cm/m2 24cm/m2 15cm/m2
屋根の軽い建築物 12cm/m2 21cm/m2 12cm/m2

【1】1959~1981年 基準法壁量規定準拠
(通称 1981年以前)
↓この基準を満たす平面計画
平面図
↓上の平面図を最新の耐震診断法で比較
【評点】 ⇒0.50 [×]倒壊する可能性が高い
      倒壊した家
1978年
(昭和53年)
地震 宮城県沖地震(M7.4)

[主な被害] 全壊:6,600戸 死者:28人
       
1979年
(昭和54年)
教科書 日本建築協会編集「木造住宅の耐震精密診断と補強方法」(初版)

パンフレットを作成し普及活動を実施
       
1981年
(昭和56年)
基準法 建築基準法施行令大改正 新耐震設計基準

1978年の宮城県沖地震後、耐震設計法が抜本的に見直され耐震設計基準が大幅改正。
現在の新耐震設計基準が誕生した。この新耐震設計基準による建物は、阪神大震災においても被害は少なかった。
これを境に、「1981年昭和56年以前の耐震基準の建物」や「1981年昭和56年以降の新耐震基準による建物」といった表現がされるようになる。

●木造住宅においては壁量規定の見直しが行われた。(前回改正は、昭和34年)
構造用合板やせっこうボード等の面材を張った壁などが追加された。
床面積あたりの必要壁長さや、軸組の種類・倍率が改定された。(壁量 38%増し 最大倍率5まで)

[参考] 必要壁量 1981(昭和56)年改正 
平屋 2階建
建築物の種類 1階 2階
屋根および壁の重い建築物 15cm/m2 33cm/m2 21cm/m2
屋根の軽い建築物 11cm/m2 29cm/m2 15cm/m2

【2】1981~2000年 基準法壁量規定準拠
(通称 新耐震設計基準)
↓この基準を満たす平面計画
平面図
↓上の平面図を最新の耐震診断法で比較
【評点】 ⇒0.91 [△]倒壊する可能性がある
倒壊する可能性のある家        
1983年
(昭和58年)
地震 日本海中部地震(M7.7)

[主な被害] 全壊:3,000戸  死者:104人
       
1985年
(昭和60年)
教科書 日本建築防災協会編集 「木造住宅の耐震精密診断と補強方法」(補強版)

日本海中部地震の被害を考慮
       
1995年
(平成7年)
基準法 建築基準法の改正

1995年阪神・淡路大震災の教訓を反映

●木造住宅においては
  1. 地耐力に応じて基礎を特定。地盤調査が事実上義務化に。
  2. 継手・仕口金物必須 
  3. 耐力壁配置にバランス計算が必要となる。
    平面4分割法、偏心率。

【3】2000年 基準法壁量規定準拠
(最新の基準法)
↓この基準を満たす平面計画
平面図
↓上の平面図を最新の耐震診断法で比較
【評点】 ⇒1.16 [〇]一応倒壊しない
一応倒壊しない家        
2000年
(平成12年)
教科書 日本建築防災協会編集 「木造住宅の耐震精密診断と補強方法」(補強版)

診断精度の向上
●最新の知見を反映…阪神淡路大震災/2000年建築基準法/2001年品確法
●一般診断、精密診断1・2
       
2004年
(平成16年)
地震 新潟中越地震(M6.8)

[主な被害] 全壊:2,827戸 死者:46人
       
2005年
(平成17年)
地震 福岡県西方沖地震(M7.0)

[主な被害] 全壊:133戸 死者:1人
       

関連製品

住宅性能診断士ホームズ君 耐震診断Pro

「木造住宅の耐震診断と補強方法(2012年改訂版)」に基づく耐震診断と補強設計が行えるソフトです。日本建築防災協会の「木造住宅耐震診断プログラム評価」を取得しており、自治体が行う耐震診断や耐震改修の助成金申請に使用できます。

詳しくはこちら
住宅性能診断士ホームズ君 あっと簡単見積

面積や建具などCADからの自動数量拾いをもとに積算見積を作成するソフトです。新築・リフォームを問わず使えます。作成した見積書はテンプレートとして登録可能。「耐震診断Pro」や「省エネ診断」と連動して概算見積も瞬時に作成できます。

詳しくはこちら