[H28年基準] 一次エネルギー消費量

一次エネルギー、二次エネルギーとは

化石燃料、原子力燃料、水力・太陽光など自然から得られるエネルギーを「一次エネルギー」、これらを変換・加工して得られるエネルギー(電気、灯油、都市ガス等)を「二次エネルギー」といいます。

建築物では二次エネルギーが多く使用されており、それぞれ異なる計量単位(kWh、L、MJ等)で使用されています。

それを一次エネルギー消費量へ換算することにより、建築物の総エネルギー消費量を同じ単位(MJ、GJ)で求めることができるようになります。(※1J=1W・s(ワット秒))

一次エネルギー消費量の計算の流れ
(住宅省エネルギー技術講習テキストより)

一次エネルギー消費量とBEIについて

「一次エネルギー消費量」は「外皮性能」ともに、省エネ基準適合義務を実現する上で満たすべき基準の一つです。

・設計一次エネルギー消費量:建築物の設計から想定される使用エネルギー量で、空調や換気、照明、給湯設備などから算出

・基準一次エネルギ-消費量:設備や地域、室用途ごとに定められる基準値

地域区分や床面積等の共通条件のもと算出された「設計一次エネルギー消費量」「基準一次エネルギ-消費量」をもとに省エネルギー性能指標にBEI(Building Energy Index)を算定します。 BEIは、基準一次エネルギー消費量に対する設計一次エネルギー消費量の割合のことで、「設計一次エネルギー消費量(家電等を除く)/基準一次エネルギー消費量(家電等を除く)」で表します。 BEIの値が小さいほど省エネルギーです。

一次エネルギー消費量の計算の流れ
(住宅省エネルギー技術講習テキストより)

一次エネルギー消費量等級

住宅の品質確保の促進等に関する法律(略称:品確法)には外皮の断熱性能と設備機器の一次エネルギー消費量を評価する指標が定められており、外皮の断熱性能については「断熱等性能等級」、設備については「一次エネルギー消費量等級」として評価します。

省エネルギー基準 住宅性能表示制度の
断熱等性能等級
住宅性能表示制度の
一次エネルギー消費量等級
BEI
等級7
GX ZEH基準
(令和9年4月施行予定)
等級6 等級8(2025年12月新設)
(省エネ基準比エネルギー消費量▲35%)
BEI≦0.65
(再エネを除く)
等級7(2025年12月新設)
(省エネ基準比エネルギー消費量▲30%)
BEI≦0.70
(再エネを除く)
平成28年誘導基準
(ZEH水準)
等級5 等級6(2022年4月新設)
(省エネ基準比エネルギー消費量▲20%)
BEI≦0.80
(再エネを除く)
等級5
(省エネ基準比エネルギー消費量▲10%)
BEI≦0.90
(再エネを含む)
平成28年省エネ基準
(現行の省エネ基準)
等級4 等級4 BEI≦1.00
(再エネを含む)
平成4年省エネ基準 等級3 (設定なし) (設定なし)
昭和55年省エネ基準 等級2 (設定なし) (設定なし)
等級1 等級1 (設定なし)
出典:国土交通省の資料をもとに作成

一次エネルギー消費量の評価方法

平成28年基準では評価方法がいくつか追加及び変更されました。

暖冷房 ダクト式セントラル空調機の詳細設定を追加
給湯 ガス給湯器「従来型」と「潜熱回収型」を区別
照明 LED照明を追加
太陽光発電 パワコンの効率の入力方法変更
コジェネレーション設備 型番が選択可能に

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