[2025年法改正] 省エネ基準適合義務化
2025年 全ての新築住宅に省エネ基準適合が義務化
日本政府は2050年までにカーボンニュートラルの目標を達成するために、住宅の省エネルギーを推進しています。
このため、2022年(令和4年)6月に公布された『脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律』より建築物省エネ法が改正され、2025年度以降、すべての建築物で省エネ基準への適合が義務付けられることになりました。
したがって、2025年以降は、省エネ性能が求められる基準に達していない場合は建築ができなくなります。
住宅の省エネルギー性能について
住宅の省エネルギー性能は、住宅の<外皮性能>(住宅躯体としての断熱性能)と<一次エネルギー消費量>(設備性能=住宅に設置される各種設備の省エネ性能)の2つの基準で評価されます。
<外皮性能>
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住宅の窓や外壁などの断熱性能についての基準です。
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具体的には、外皮平均熱貫流率(UA値:ユーエー値)と夏期の平均日射熱取得率(ηAC:イータエーシー値)の2つの数値を求めて評価します。
<一次エネルギー消費量>
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住宅内で消費されるエネルギー量に関する基準です。
仕様基準で、省エネ基準への適合を確認できるようになる予定です
仕様基準によって、省エネ基準、および、誘導基準(長期優良住宅やZEH水準等)への適合を確認することができるようになる予定です。
仕様基準を用いれば、建築確認手続きで『省エネ適合性判定』が不要となる予定です。
外皮性能を「仕様基準」で確認し、一次エネルギー消費性能を計算することもできるようになる予定です。
ホームズ君は、省エネの計算方法は「標準計算」を推奨します
2025年度以降に、原則、すべての住宅・建築物の新築・増改築において、省エネ基準への適合が求められることになりました。伴い、適合確認における申請側・行政側の負担軽減、手続きの混乱をさけるために評価方法の合理化が2023年に検討されました。その結果、省エネ基準の評価ルートは、簡素な「仕様基準」と精緻な「標準計算」に再構成される予定です。「仕様基準」は簡易な方法で、判定自体は簡単ですがプランごとの特徴を考慮しない粗々の評価と言えます。一方、「標準計算」はプランを考慮した、実状にあった外皮性能を求めることができる方法です。
上述の評価方法の合理化の結果、「仕様基準」にて最低レベルの省エネ基準や、ZEH基準への適合を確認できるようになる予定です。「標準計算」については、実際のプランの性能検討や上位の性能を検討する方法としての位置づけとなります。
- 「標準計算」は、外皮性能を示すUA値の算出において、「簡易法」と異なり、プランの特徴を反映できる
- 「簡易法」であるモデル住宅法のUA値が必ずしも安全側の数字ではない
- 「標準計算」は、経済設計が行える
2022年に住宅性能表示制度に新設された断熱等性能等級6、断熱等性能等級7などの上位の性能を検討する場合や設計者が実施設計の方針を検討するには、改正後も、標準計算がおすすめと言えるでしょう。
参考動画
■ホームズ君でわかる省エネ計算 標準計算ルートのすすめ
■モデル住宅法vs標準計算ルート
2050年 カーボンニュートラルに向けて
国土交通省では、今後、段階的な基準の引き上げを予定しています。