[室温検証] EnergyPlusモード 床下エアコン編
ホームズ君「省エネ診断エキスパート」パッシブ設計オプション (以下「パッシブ設計」とする)は、動的熱負荷計算による室温計算が可能です。時々刻々と変化する気象条件(外気温や日射量など)や周辺環境による日影の影響を考慮した計算を行う画期的なソフトウェアです。開発にあたっては、シミュレーション結果と実際の室温の実測データの比較を行い、計算された室温の確からしさの検証・フィードバックを行っています。
計算エンジンとしてEnergyPlusを追加搭載するに当たり、EnergyPlus使用モードおよびEESLISM使用モードの両方で、実測とシミュレーションの結果を比較・検討しました。
『床下エアコン編』は床下エアコンを設置した住宅においての室温の実測とシミュレーション値の比較に関するレポートです。
室温の実測と比較検証の方法
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スマートワトソン君無線温湿度計「温エアー」・無線表面温度計「温サーフェス」(インテグラル製)を⽤いて、各物件の外気温、部屋ごとの室温を計測しました。
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⽐較検証をするにあたり、出来る限り実測に近い条件でのシミュレーションをするため、各物件の計測地、計測⽇の外気温、湿度、⽇照時間(気象庁のデータベース)、さらにこれらを元に推定した⽇射量、夜間放射量を求め室温を計算しました。
結果
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居住者が不在時の住宅において、床下エアコン稼働時の室温を実測した。ホームズ君のパッシブ設計オプションで計算条件を揃えてシミュレーションを行い、その結果を実測結果と比較した。EESLISM使用モードおよびEnergyPlus使用モードの両方で実測との比較を行った。。
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今回計測した物件では、床下空間は基礎梁の影響によりエアコンの温風が行きわたらず温度ムラが大きくなり、実測した温度も場所によって違いがあった。シミュレーションでは床下空間を均一に温める想定での計算を行うため、床下空間全体を1つの空間とした場合に、実測と計算結果の差異が大きかった。床下空間を実情に合わせて3つの区画に分割し、それぞれに合わせた温度設定でシミュレーションを行ったところ、実測に整合する結果が得られた。
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床下エアコン停止時には実測に比べシミュレーション結果の方が室温が下がりやすい結果となった。床下の温度ムラや基礎梁等による蓄熱が関連していると考えられる。
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本物件では開口部に遮蔽物を設定している。この場合、EESLISM使用モードにおいては、遮蔽物が吸収した日射熱がすべて室内に取り込まれるという計算モデルとなっているため、日中の日が当たる時間帯で計算結果の室温が実測室温よりも高くなる結果となった。
レポート
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