[H11年基準] 熱貫流率(U値)とは
※熱貫流率を示す記号が、平成21年4月1日に施行された改正省エネ法において、「K」から「U」に変更されました。 これは、熱貫流率を表す記号が国際的には「U」が使用されていることを勘案して、変更が行われたものですが、その意味や内容が変わったものでは一切ありません。
断熱仕様断面イメージ
実質熱貫流率U値の計算例
※壁体内に通気層があり、その場合には、通気層の外側の熱抵抗を含めない。
(1)熱橋面積比
▼910mm間における熱橋部、および一般部の面積比は以下計算式で求めます。
- 熱橋部の熱橋面積比
=(105mm+30mm)÷910mm
=0.1483516≒0.15 - 一般部の熱橋面積比
=1-0.15
=0.85
(2)「外気側表面熱抵抗Ro」・「室内側表面熱抵抗Ri」は、下表のように部位によって値が決まります
部位 | 室内側表面熱抵抗Ri (㎡K/W) |
外気側表面熱抵抗Ro (㎡K/W) |
|
---|---|---|---|
外気の場合 | 外気以外の場合 | ||
屋根 | 0.09 | 0.04 | 0.09(通気層) |
天井 | 0.09 | – | 0.09(小屋裏) |
外壁 | 0.11 | 0.04 | 0.11(通気層) |
床 | 0.15 | 0.04 | 0.15(床下) |
▼この例では「外壁」部分の断熱仕様であり、また、外気側は通気層があるため、以下の数値を計算に用います。
- 外気側表面熱抵抗Ro:0.11
- 室内側表面熱抵抗Ri:0.11
(3)部材
▼以下の式で各部材熱抵抗値を求めます。
- 熱抵抗値=部材の厚さ÷伝導率
※外壁材部分は計算対象に含まれません。
壁体内に通気層があり、そこに外気が導入されている場合は、通気層より外側(この例では「外壁材」部分)の熱抵抗は含みません。
(4)平均熱貫流率
▼平均熱貫流率は以下の式で求めます。
- 平均熱貫流率
=一般の熱貫流量×一般部の熱橋面積比+熱橋部の熱貫流率×熱橋部の熱橋面積比
=0.37×0.85+0.82×0.15
=0.4375≒0.44
(5)実質熱貫流率
▼平均熱貫流率に熱橋係数を乗じた値が実質貫流率(U値)となります。
- 木造の場合、熱橋係数は1.00であるため平均熱貫流率と実質熱貫流率は等しくなります。
主な部材と熱貫流率(U値)
部材 | U値(W/㎡・K) |
---|---|
屋根(天然木材1種、硬質ウレタンフォーム保温板1種等) | 0.54 |
真壁(石こうボード、硬質ウレタンフォーム保温板1種等) | 0.41 |
大壁(合板、グラスウール16K等) | 0.49 |
板床(縁甲板、グラスウール16K等) | 0.41 |
金属製建具:低放射複層ガラス(A6) | 4.07 |