[H11年基準] 省エネルギー対策等級とは
平成12年4月1日に「住宅の品質確保の促進等に関する法律(通称:品確法)」が施行されました。その柱の一つ、「住宅性能表示制度」には10の性能表示事項があります。この性能表示事項のうちのひとつが温熱環境、省エネルギー対策等級です。
省エネルギー対策等級は、身近な生活にもかかわりがあります
省エネルギー対策等級が高ければ、それだけ建物の断熱性が上がります。したがって暖冷房費を節約することができます。また、省エネルギー対策等級が高い住宅に対してはさまざまな補助・助成制度が近年、増えています。
省エネルギー対策等級の判定方法
省エネルギー対策等級は、「平成21年国交省告示第354号評価方法基準」の「熱損失係数等による基準」にもとづいて判定されます。
- 熱損失係数(Q値)を求め、地域区分に応じた基準値と照らし合わせて等級を判定する。
- 夏期日射取得係数(μ値)を求め、地域区分に応じた基準値と照らし合わせて等級を判定する。
- 結露防止対策に合わせて等級を判定する。
- 1, 2, 3のうち、小さいほうを省エネルギー対策等級とする。
と | と | の小さい方 |
省エネルギー対策等級と省エネルギー性能基準の対応関係
省エネルギー対策等級と省エネルギー性能基準の対応関係は以下の表のとおりです。
省エネルギー対策等級 | 省エネルギー性能基準 | |
---|---|---|
4
|
次世代省エネルギー基準※(1999年) | |
3
|
新省エネルギー基準(1992年) | |
2
|
旧省エネルギー基準(1980年) |
※次世代省エネルギー基準
1999年3月に改正告示された、「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主の判断の基準」のことです。
省エネルギー対策等級における基準値
熱損失係数(Q値)が小さいほど、熱が逃げにくいので省エネルギー性能が高いといえます。
熱損失係数(Q値)(W/m2K) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
地域区分 | ||||||
等級 | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵ |
4 | 1.6 | 1.9 | 2.4 | 2.7 | 2.7 | 3.7 |
3 | 1.8 | 2.7 | 3.3 | 4.2 | 4.6 | 8.1 |
2 | 2.8 | 4.0 | 4.7 | 5.2 | 8.3 | 8.3 |
1 | – | – | – | – | – | – |
熱損失係数(Q値)
夏期日射取得係数(μ値)が小さいほど、日射が入りづらく、冷房効率が高くなります。
夏期日射取得係数(μ値) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
地域区分 | ||||||
等級 | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵ |
4 | 0.08 | 0.08 | 0.07 | 0.07 | 0.07 | 0.06 |
3 | – | – | 0.10 | 0.10 | 0.10 | 0.08 |
夏期日射取得係数(μ値)
- 防湿層の設置 (等級4,等級3)
-
透湿抵抗の小さい断熱材を使用する場合は防湿層を設ける。または、同等以上の結露の発生防止に有効な措置が講じられている。
-
- 通気層の設置 (等級4)
-
屋根または外壁を断熱構造とする場合に、断熱層の外気側への通気層の設置、その他換気上有効な措置を講じる。または、同等以上の結露の発生防止に有効な措置が講じられている。
-
地域区分
地域区分 | |
---|---|
Ⅰ | 北海道 |
Ⅱ | 青森県 岩手県 秋田県 |
Ⅲ | 宮城県 山形県 福島県 栃木県 新潟県 長野県 |
Ⅳ | 茨城県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 富山県 石川県 福井県 山梨県 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 |
Ⅴ | 宮崎県 鹿児島県 |
Ⅵ | 沖縄県 |