[建築士法] 建築士事務所の図書保存制度
本ページは、国土交通省の情報に基づき内容を要約して掲載しています。
建築士法により建築士事務所の開設者は一定の図書について15年間保存することが義務づけられています。建築士法施行規則の改正(令和元年11月1日告示・令和2年3月1日施行)により、保存の対象となる図書が拡大されました。
改正の背景
4号建築物及び建築確認の不要な建築物であっても、建築基準法令等の定める基準に適合することが義務づけられており、建築士は適切に設計し、構造安全性を確かめることが当然に求められています。これまでも、建築士事務所の開設者には一定の図書の保存が義務づけられていましたが、木造建築物の構造安全性を確かめるための重要な計算である壁量計算、四分割法の計算及びN値計算に係る図書や、構造安全性を確かめることで一部の仕様規定を適用しないこととするための構造計算等に係る図書については保存が義務づけられていませんでした。
このような状況を踏まえ、仮に建築物に係る構造安全性について疑義が生じた場合であっても、構造安全性が確保されていることを建築士が対外的に立証できるようにするとともに、設計等業務の委託者の保護を図る観点から、建築士事務所の図書保存の制度が見直されました。
保存義務が生じる設計図書
配置図、各階平面図、二面以上の立面図、二面以上の断面図、基礎伏図、各階床伏図、小屋伏図、
構造詳細図、構造計算書等(※)、工事監理報告書
(※)構造計算書等とは、
[1]保有水平耐力計算、限界耐力計算、許容応力度等計算などの構造計算書
[2]仕様規定の適用除外のただし書で必要な構造計算、燃えしろ設計に係る構造計算等の構造の安全性を確認するために行った構造計算の計算書
[3]壁量計算、四分割法の計算、N値計算に係る図書
設計が建築基準法第6条第1項第2号又は第3号に係る図書である場合 | 左記以外の場合 | |
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建築士でなければできない設計又は工事監理に係る図書である場合 | 左記以外の場合(100 ㎡以下の2階建て木造の建築物等の設計又は工事監理に係る図書である場合) | |
保存図書の追加 ・構造計算書等の一部 (上記[2]及び[3]) |
保存図書の追加 ・基礎伏図 ・各階床伏図 ・小屋伏図 ・構造詳細図 ・構造計算書等 (上記[1]、[2]及び[3]) |
新規義務付け ・上記下線部の全ての図書 |