GX ZEHとは
「第6次エネルギー基本計画」(2021年10月閣議決定)に基づき設定された、「2050年に住宅のストック平均でZEH基準の水準の省エネルギー性能が確保されていることを目指す」および「2030年度以降新築される住宅について、ZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指し、整合的な誘導基準・住宅トップランナー基準の引上げや、省エネルギー基準の段階的な水準引上げを遅くとも2030年までに実施する」とする政策目標を受け、より高い省エネルギー性能を掲げる新しい定義として、2025年9月に「GX ZEH」および「GX ZEH-M」(集合住宅のGX ZEH)が定義づけられました。ここでは「GX ZEH」について説明します。
GX ZEHシリーズ(2027年4月以降適用)
GX ZEHシリーズとは、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギー等を導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」を指します。
| GX ZEH+ | 外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え、再生可能エネルギー等により年間の一次エネルギー消費量がマイナスの住宅 |
|---|---|
| GX ZEH | 外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え、再生可能エネルギー等により年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの住宅 |
|
Nearly GX ZEH |
GX ZEH を見据えた先進住宅として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え、再生可能エネルギー等により年間の一次エネルギー消費量をゼロに近づけた住宅 |
| GX ZEH Oriented | GX ZEHを指向した先進的な住宅として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備えた住宅(多雪地域・都市部狭小地に建築された住宅に限る) |
判断基準
| 区分 | 外皮性能 | 再エネ導入前削減率 | 再エネ導入 | 総削減率(再エネ含む) |
|---|---|---|---|---|
| GX ZEH+ | 断熱等性能等級6の UA値・ηAC値 |
基準一次エネルギー 消費量から 35%以上削減 (再エネ等除く) |
必須 | 115%以上 |
| GX ZEH | 必須 | 100%以上115%未満 | ||
| Nearly GX ZEH | 必須 | 75%以上100%未満 | ||
| GX ZEH Oriented | 任意 | ― | ||
| 現行のZEH | 断熱等性能等級5の UA値・ηAC値 (ZEH+は等級6) |
20%以上削減 (ZEH+は30%以上) |
変更なし | ZEH+・ZEH:100%以上 Nearly ZEH:75%以上100%未満 |
設備要件
| 高度エネルギーマネジメント | 戸建住宅を対象に、高度エネルギーマネジメントの導入を必須要件とする。 ・エネルギー計測装置(HEMS)により、再生可能エネルギーの発電量等を把握した上で、住宅内の冷暖房設備、給湯設備等を制御可能であること ・蓄電池の充電量・放電量を制御できること。(GX ZEH Orientedを除く。) |
|---|---|
| 定置用蓄電池 | GX ZEH+、GX ZEH、Nearly GX ZEHとなる戸建住宅を対象に、定置用蓄電池の導入を必須要件とする。 ・高度エネルギーマネジメントによって蓄電池の充電量・放電量が制御できること。 |
推奨事項
|
EV充電/ 充放電設備 |
敷地内に駐車スペースを有する全ての戸建住宅においては、現に居住者がEVを保有していない場合であっても、敷地内に充電インフラの設置が困難であることが将来的な保有を妨げる要因とならないように、当該住宅の建築士は建築主に対して、EV充電設備/V2H充電設備(充放電設備)の導入検討にあたり必要な情報の説明を行うこと。 |
|---|---|
| 再生可能エネルギー導入検討 | GX ZEH Orientedの認定取得をする住宅において、個々の住宅における立地環境や屋根/建物形状等の諸条件を勘案のうえ、当該住宅の建築士は建築主に対し再生可能エネルギー導入検討にあたり必要な情報の説明を行うこと。 |



